中心極限定理

1つの任意の母集団から、一式の標本を無作為抽出します。抽出は、個々の標本の単位が
等確率、独立であるように行ないます。

この一式の標本から標本平均を作ると、その確率分布(標本分布)は、正規分布に近い
ものとなります。この性質を謳ったものが、中心極限定理です。

中心極限定理は、標本抽出の条件が満たされれば、母集団の形に関係なく成り立ちます。

正規分布に接近する速さは、母集団の形と標本の規模に関係します。
 母集団が正規分布から遠い場合(歪度が大きい、尖度が過大または過小など)、標本
 平均の確率分布は、標本規模が小さいうちは正規分布に見えませんが、標本規模を大
 きくしていけば、やがて正規分布らしくなります。

母集団が正規分布に近い場合は、標本平均は比較的小規模の標本で、正規分布らしくな
ります。

母集団が元々正規分布の場合、標本平均は、標本規模に関係なく正規分布になります。

正規分布に近いとは、その分布の歪度が0に近く、尖度が3に近いことと考えます。厳密
 には5次以上の積率のことも考えるべきですが、ここでは省略します。
 分布の中央付近に山を持ち、左右対称に近い母集団に対しては、標本平均は正規分布
 に速く接近すると思われます。

中心極限定理:Central limit theorem

中心極限定理の例

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