標本分布

母集団分布に対するもので、母集団から確率抽出された標本による統計量の分布をいい
ます。即ち、標本分布は、母集団を母体とする派生集団の一種です。標本分布が生成す
る順序は次のとおりです。
(1)母集団から所定の標本抽出方式により、標本を得ます。
(2)その標本から、統計量を作ります。
(3)その統計量の取りうる全ての値と、その個々に対する確率の対からなる集合体を
   把握します。
(4)その集合体が、求める標本分布です。

標本分布は、標本抽出の方式や統計量の作り方によって、分布の大きさや形の様々なも
のができます。

例えば、母集団の大きさがNで、これから大きさnの標本を無作為(等確率)、非重複
に抽出するときは、標本はNCn通りできます。よって統計量の実現値もNCn通りできます。
よって、標本分布の大きさは、NCnで、一般に母集団の大きさに比べて遥か
に大きいものとなります。

標本抽出の方式によっては、母集団分布より標本分布の方が小さい場合もあります。

標本分布は、図(グラフ)に描くと分かり易いものになります。

(標本分布と中心極限定理との関係)
標本分布は、統計量の形と標本抽出の仕方が一定の条件を満たせば、正規分布に近いもの
になります。
無条件では、必ずしも正規分布には接近しません。

標本分布:Sampling distribution

標本分布の例 目次  前頁(無作為抽出)  次頁(中心極限定理)