期待値

確率変数の実現値と、その実現確率の積の総和を、確率変数の期待値といいます。
 確率変数が連続的に変化する場合は、確率変数の実現値とその実現の確率密度
 の積について、確率変数の全変域に亙って積分したものが、その確率変数の期
 待値となります。

確率変数の期待値は、その確率変数の確率分布の平均と同じです。

期待値は、その確率変数を多数回実現させたときの実現値の平均によって近似す
ることができます。

確率分布によっては、期待値が存在しない場合があります。

確率変数Xの期待値は、普通、E(X)で表わされます。
 Xが離散型確率変数の場合は、その実現確率をP(X)とすると、
   E(X)=ΣX・P(X)
 となります。ΣはXの全変域に亙る合計を意味します。

 Xが連続型確率変数の場合は、それが実現する確率密度をf(X)とすると、
   E(X)=∫X・f(X)dX
 となります。∫はXの全変域に亙る積分を意味します。


期待値の例 1〜6の数字が付してある普通のサイコロを1回投げたとき、出る目の
期待値を求めてみます。
先ず、確率分布は P(X)=1/6, (X=1,2,3,,,6) であるので、Xの期待値は、

  E(X)=ΣX・P(X)=1*1/6+2*1/6+3*1/6+4*1/6+5*1/6+6*1/6=3.5

となります。実際にサイコロを多数回振って出る目の平均をとると、3.5に近いも
のになります。

期待値:Expectation, Expected Value

目次 前頁(確率分布) 次頁(統計量)