極座標系の設定例

極座標系は、設定の仕方によって何通りも
できます。
以下の説明の順序は、2次元座標系設定の 一般原理の説明順に合わせてあります。
(1) 座標系を設定したい面を、平面 A と します。  平面 A の上に、長さ a (a>0)の直線分 OH を引き、O→H の方向(左から右) に、0 から a に亘って等目盛を印します。 Oを極といいます。極は P とも書きます。
(2) 2つの変数を X,Y と置き、これらを座 標変数とします。
(3) X の変域を 0≦X<2π とし、変域内の 1つの X に対して長さ a の直線分 LX を、その一端を極 P におき、直線分 OH と逆時計方向に X 角をなすように 引きます。
(4) X が 0 から 2π の間を連続的に変化するとき、直線分 LX も A の上を連続的に移動しま す。
(5) LX の移動の軌跡は、平面 A の上に半径 a の円の内部 AX を形成します。
(6) Y の変域を 0≦Y<a とし、変域内の1つの Y に対して、中心 O、半径 Y の円 LYを描き ます。
(7) Y が 0 から a の間を連続的に変化するとき、円 LYも A の上を連続的に変化します。 LY=0 は極 Oに一致します。
(8) LY の変化の軌跡は、平面 A の上に半径 a の円の内部 AY を形成します。
(9) こうして得た A の上の2つの領域 AX と AY の共通部分を AXY とします。この場合、 AY は AX に含まれるため、AXY の領域は AY の領域と同じになります。 a=∞ のとき、普通にいう極座標系と同じものになります。
(10) この極座標系内の1点 Q は、極を除けばただ1つの LX の 上にあり、かつ、ただ1つの LY の上にあり、その座標は (X,Y) とただ1通りに表わされます。 極の座標は、(X,0) の形で無数にあります。 (11)- (12)- (13) 0≦X<2π, 0<Y<a において、2つの数からなる組 (X,Y) を作ると、これを座標とする 点 Q が、座標系内にただ1つ定まります。
(14) a=∞ におけるこの極座標系と直交座標系の関係は、次の通りです。 極座標を (X,Y)、直交座標を (W,Z)とすれば、
W=Y*Cos(X), 0≦X<2π Z=Y*Sin(X), Y≧0 (Y<0 を認めないことに注意)
となります。
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