2次元座標系設定の一般原理

2次元座標系の設定原理は、面の上の点の位置を表示する仕組みに関するものです。
以下に設定の順序を例示します。
(1) 座標系を設定したい面を、A とします。
(2) 2つの変数を X,Y とおき、これらを座標変数とします。
(3) X の変域を a<X<b とし、変域内の1つの X に対して、ある長さの1つの線 分 LXを、面 A の上に位置づけます。
(4) X が a と b の間を連続的に変化するとき、線分 LXも面 A の上 を連続的に移動するものとします。
(5) LXの移動の軌跡は、面 A の上に1つの領域 AXを形成 します。
(6) Y の変域を c<Y<d とし、変域内の1つの Y に対して、ある長さの1つの線 分 LYを、面 A の上に位置づけます。
(7) Y が c と d の間を連続的に変化するとき、線分 LYも面 A の上 を連続的に移動するものとします。
(8) LYの移動の軌跡は、面 A の上に1つの領域 AYを形成 します。
(9) こうして得た面 A の上の2つの領域 AX と AY の共 通部分を AXY と表わします。この AXY が所要の座標 系です。 座標系、点、座標の関係 (10) 座標系内の1点 P は、一般に1つ以上の LX の上にあり、かつ、 1つ以上の LYの上にあります。このとき、点 P が乗っている LX に対応する X と、LY に対応する Y を組にした (X,Y)を点 P の座 標といいます。
(11) 座標 (X,Y) における X,Y の値は、一般にそれぞれただ1つではないため、座標 系内の1点 P の座標は、1つ、または2つ以上あります。
(12) X の変域の中の1つの値 X' と Y の変域の中の1つの値 Y'を取り、数値の組 (X',Y')を作ると、これを座標とする点は、1つ、または2つ以上か、1つもな いか、のいずれかとなります。1つもないのは、X が LYの上にない か、または、Y がLX の上にないか、のいずれかの場合です。すなわ ち、点(X',Y')が AXY に属さない場合です。
(13) 特別の場合として、AXYの中の1点 P がただ1つの LXの上にあ り、かつ、ただ1つの LYの上にあるとき、Pの座標(X,Y)はただ1つ 定まります。また、a<X<b, c<Y<d において、数値の組(X,Y)をつくると、こ れを座標とする点は、AXYの中にある場合はただ1つ定まります。 2つの数値 X,Y からなる1つの組 (X,Y)と、座標系内の1つの点が、1対1の対 応をなすとき、座標系は最も解り易いものとなります。 コンピュータ処理のための基本座標系 座標系は、空間における点の位置を表わす仕組みであれば、どんな定義でも構い ませんが,現在のコンピュータで扱う場合、既に組み込んである座標系を基準に するのが便利です。 現在のコンピュータに組み込んである座標系は、直交座標系といわれるもので、 これをもとにして座標変数を変換することによって、任意の座標系を扱うことが できるようになります。
(14) 直交座標系と他の座標系との関係は、次の連立方程式で表わされます。
直交座標を (W,Z) 、他の座標を (X,Y) とし、
W=F(X,Y), Z=G(X,Y)
が一番解り易い形です。
(15) このほか、
F(X,Y,W)=0, G(X,Y,Z)=0
(16) あるいは、
F(X,Y,W,Z)=0, G(X,Y,W,Z)=0
の形もあります。
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