斜交座標系の設定例



  以下の説明の順序は2次元座標系設定の一般原理の説明順に合わせてあります。
(1) 座標系を設定したい面を、平面 A とします。
@ 平面 A の上に、長さ 2a (a>0)の直線分 HH' を引き、H→H'(左から右)の方 向に、-a から a に亘って等目盛を印します。   A 直線分 HH' の上の a=0 に相当する位置を O(オー)とし、Oにおいて HH' と 直交し O によって2等分される長さ 2b (b>0) の直線分 VV' を引きます。   B Oを通り、VV' の正の側から時計方向に r 角をなす長さ 2b の直線分 VrV'r を、Oによって2等分されるように引き、Vr→V'r(左下から右上)の方向に、-b から b に亙って等目盛を印します。この場合、HH' の上の目盛の尺と、VrV'rの 上の目盛の尺とは異なっても構いません。   C 直線分 VrV'r の上の b=0 に相当する位置は O に重なります。O を原点といい ます。
(2) 2つの変数を X,Y と置き、これらを座標変数とします。
(3) X の変域を -a<X<a とし、変域内の1つの X に対して、長さ 2b の直線分 LX を、直線分 HH' の上の X に相当する目盛の位置に、HH' によって2等分され、 かつ VrV'r に平行となるように引きます。
(4) X が -a から a の間を連続的に変化するとき、直線分 LX も A の上を連続的に 移動します。LX=0 は VrV'r に重なります。
(5) LX の移動の軌跡は、平面 A の上に2辺が 2a, 2b の平行四辺形 AX を形成します。 (6) Y の変域を -b<Y<b とし、変域内の1つの Y に対して、長さ 2a の直線分 LY を、直線分 VrV'r の上の Y に相当する目盛の位置に、VrV'r によって2等分され、 かつ、HH' に平行となるように引きます。
(7) Y が -b と b の間を連続的に変化するとき、直線分 LYもAの上を連続的に移動 します。LY=0 は HH'に重なります。
(8) LYの移動の軌跡は、平面 A の上に2辺が 2a, 2b の平行四辺形AYを形成します。
(9) こうして得た A の上の2つの領域 AXと AY の共通部分を AXYとします。この場合、 AX は AY と完全に重なるため、AXY もそれらと同じ領域となります。 a=∞, b=∞ のとき、普通にいう斜交座標系と同じものになります。
(10) この座標系内の1点 P は、ただ1つの LXの上にあり、かつ、ただ1つのLYの上 にあり、その座標は (X,Y) とただ1通りに表わされます。
(11)- (12)- (13) -a<X<a, -b<Y<b において、2つの数からなる組 (X,Y) を作ると、これを座標 とする点 P が、座標系内にただ1つ定まります。 a=∞, b=∞ のとき、任意の2つの 数からなる組 (X,Y) と、座標系内の1点 P とは、1対1に対応します。
(14) a=∞ におけるこの斜交座標系と直交座標系との関係は、次の通りです。 斜交座標を (X,Y)、直交座標を (W,Z) とすれば、
W=X+Y*Sin(r), Z=Y*Cos(r), r=斜軸の傾斜角(ラジアン) となります。
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