集団の部分と全体の関係
(3)内分散
1つの集団を、幾つかの部分集団に分けたとき、各部分集団内の分散に着目します。
各部分集団内の分散を、その部分集団の大きさをウエイトにして、全部分集団に 亘って加重平均したものを、内分散といい普通、σw2で表わします。
上のことは、初めに集団が幾つかあって、それらを併合して1つの集団とする場合 も同じです。
部分集団に分ける以前の集団、あるいは併合された集団を、全集団といい、その分散 を全分散といいます。内分散は全分散とは別のものです。 -------------------------------------------- 理論
大きさNの1つの集団を、大きさNiのK個の部分集団に分け、各部分集団内の分散を σi2とします。
大きさ N1, N2,...., NK   分散 σ12, σ22,....,σK2
このとき、内分散σw2
、 σw2=(ΣNiσi2)/N (1)
として求められます。Σは iを1から Kまで合計することを意味します。 これは
内分散=部分集団の分散の平均
という関係を表すものです。 -------------------------------------------- 計算例
ある市に4つの高校があり、同じ学年で同じ問題の統一試験が行われました。 学校別の生徒数と点数の分散などは次の通りです。4校の内分散を出してみます。
学校(i)
生徒数(Ni)13519092156
平均点(μi)73678574
分散(σi2)278137220463

全生徒数は 135+190+92+156=573(人) となるので、内分散σw2
σw2=(135*278+190*137+92*220+156*463)/573=156028/573=272.300(点2)
となります。
-------------------------------------------- 練習問題
ある農家では、収穫したじゃが薯を袋詰めにして販売するのに、   袋ごとに薯の大きさを揃えて、消費者の求めに応じることにしています。   次の表は、5袋の薯の重さを示しています。   薯の重さについて、袋に関する内分散を求めなさい。
袋(i)重さ(g)
158165171........
125120134118.......
102107958996......
70756769657471....
3738455146374347495445

ヒント:袋ごとの分散を出して、(1)式にあてはめます。 [答 σw2=27.442(g2)]

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