集団の部分と全体の関係
(2)外分散
1つの集団を、幾つかの部分集団に分けたとき、各部分集団内の平均に着目します。
各部分集団内の平均の、その部分集団の大きさをウエイトにした部分集団間の分散を、 外分散といい、普通、σb2で表わします。
上のことは、初めに集団が幾つかあって、それらを併合して1つの集団とする 場合も同じです。
部分集団に分ける以前の集団、あるいは併合された集団を、全集団といい、その分散を 全分散といいます。外分散は全分散とは別のものです。 ----------------------------------- 理論
大きさ Nの1つの集団を、大きさ Niの K個の部分集団に分け、各部分集団内の平均を μiとします。
大きさ N1, N2,...., NK   平均 μ1, μ2,....,μK
このとき、外分散σb2は、
σb2={ΣNii-μ)2}/N    (1)
として求められます。Σは iを1から Kまで合計することを意味します。 これは
外分散=部分集団の平均の分散
という関係を表すものです。
外分散を求めるには、全平均を知る必要があります。 ------------------------------------ 計算例
ある市に4つの高校があり、同じ学年で同じ問題の統一試験が行われました。 学校別の生徒数と点数の平均は次の通りです。4校の外分散を出してみます。
学校(i)
生徒数(Ni)13519092156
平均点(μi)73678574

全生徒数は 135+190+92+156=573(人) となるので、外分散σb2は、別に求めた全平均μ=73.209 により
σb2={135*(73-73.209)2+190*(67-73.209)2+92*(85-73.209)2+156*(74-73.209)2)}/573 =20218.869/573=35.286(点2)
となります。
------------------------------------- 練習問題
ある農家では、収穫したじゃが薯を袋詰めにして販売するのに、   袋ごとに薯の大きさを揃えて、消費者の求めに応じることにしています。   次の表は、5袋の薯の重さを示しています。   薯の重さについて、各袋に亙る外分散を求めなさい。
袋(i)重さ(g)
158165171........
125120134118.......
102107958996......
70756769657471....
3738455146374347495445

  ヒント:各袋の平均と全平均を出して、(1)式にあてはめます。 [答 σb2=1505.182(g2)]

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