個別データの総変動   Total variation


総変動とは、偏差の平方和のことです。
データに単位呼称があるときは、総変動の呼称はデータの値の呼称の2乗とな
ります。(集団の構成単位そのものの呼称はない(無名)として。)

計算例  次の8個のデータ

   28,7,11,22,9,16,15,19

の総変動を求めます。先ずこれらの平均を求めてみると 15.875となるので、
各データの偏差は、それぞれ、

12.125, -8.875, -4.875, 6.125, -6.875, 0.125, -0.875, 3.125

と8個出ます。これらの2乗和をとると、

12.1252+(-8.875)2+(-4.875)2+6.1252+(-6.875)2+(0.125)2+(-0.875)2+3.1252=344.875

となります。これが総変動です。あるいは、元のデータの2乗の計から、
元のデータの計と平均の積を引いても同じ結果が得られます。
282+72+112+222+92+162+152+192-(28+7+11+22+9+16+15+19)*15.875=344.875
    
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   理論
変数 X のとる値を
X1,X2,.....,XN, その平均をとするとき
X1-,X2-,.....,XN-
偏差です。偏差はN個でます。これらの合計は常に0になります。
総変動は偏差の自乗の計で、
(X1-)2+(X2-)2+,.....,+(XN-)2        (1) です。この式は
ΣXi2-(ΣXi)(ΣXi)/N (2)
と変形できます。Σはにiついて1からNまで合計することを意味します。 式 (1),(2)は数理的に同じで、どちらを使っても構いません。 実務では(2)式がよく用いられます。
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意味と計算手順のまとめ

意味:総変動は散布度(2次)の一種。
計算手順:総変動は、偏差の2乗の計として、上式 (1)を用いるか、データの2乗計、 単純計、データ数を式(2)にあてはめて求める。
練習問題
25 世帯が住むアパートがあり、各世帯の人数は次の通りです。
3, 4, 2, 4, 6, 2, 5, 3, 2, 5, 4, 2, 3, 1, 5, 3, 4, 4, 2, 3, 2, 3, 2, 5, 4
世帯人員の総変動を求めなさい。
[答] 39.44(人2)

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