中央値と最頻値


(3)度数分布の中央値(その2) Median of frequency distribution(2)
 階級に幅がある場合
度数分布の下方から累積度数をとって、総度数の半分以上でそれに最も近い累積値に 当たる階級を中央値の存在する階級とします。  その階級と1つ下の階級の状況から中央値を求めます。中央値は、普通 Me で表わします。   
  −−−−−−−−−−−−−−−−       理論
中央値のある階級の、下端を X' , 度数を f' , 幅を C, X'より下の度数を F',総度数を F とすると、中央値は
Me=X'+C*(F/2-F')/f' (1)
となります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 計算例 次表は、ある果樹園から1季節に出荷された桃の     重さ(g)の分布です。(階級は、以上−未満) 桃の重さの中央値を求めます。
       階級  代表値  個数 累積個数      160g-170g 165g   93 93 170 -180 175 165 258 180 -190 185 252 510 190 -200 195 318 828 200 -210 205 355 1183 210 -220 215 293 1476 220 -230 225 176 1652 230 -240 235 132 1784 240 -250 245 84 1868 ---------------------------------------- 計 - 1868
     総度数の半分は1868/2=934, 934以上でこれに最も近い累積値は1183、 これに当たる階級の下端は X'=200, 度数は 355, 幅は 10, 200より下の度数は 828 により、桃の重さの中央値は、
Me=200+10*(934-828)/355=202.9859=203(g)
となります。 −−−−−−−−−−−−−
意味と計算手順のまとめ

意味:集団の位置的代表値の一種=データを2等分する位置

計算手順:1、データから F を確かめる。
2、度数分布の下方から累積度数をとる。
3、F/2 以上で F/2 に最も近い累積値に当たる 階級を、中央値のある階級とする。
4、中央値のある階級の,下端 X'、度数 f'、幅 C、 X'以下の度数 F'を求める。
5、これらを上式(1)に当てはめて、中央値を求める。

    練習問題
次の表はある地域の世帯の年間収入の分布です。 収入の中央値を求めなさい。(階級は、以上−未満)
収入階級 世帯数 累積世帯数 0万円- 100万円 48 100 - 200 60 200 - 300 97 300 - 400 123 400 - 500 101 500 - 700 85 700 -1000 54 1000 -1500 29 1500 -2000 18 2000 -3000 6 3000 - 2 ----------------------------------------------
[答 387万円 (計算値 386.585)] (注)算術平均などは計算できません。

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