平均

(6)確率分布の平均(期待値)
      Mean(Average or expectation) of probability distribution
変数の実現が確率による場合、その変数を確率変数ともいいます。確率変数の 平均は期待値ともいいます。 期待値は、変数に、それが生じる確率を掛けて合算したもの(積和)です。 変数の実現は、すべて排反的で、確率の合計は1でなければなりません。
計算例 1から6までの数字が記されているサイコロを振ったとき、出た目の金額を 貰えるとします。1度振るとき、幾ら期待できるでしょうか。各目の出る 確率は、等しく 1/6であるとします。
この場合の期待値は、各金額とそれが生じる確率の積和となります。 すなわち
1*1/6+2*1/6+3*1/6+4*1/6+5*1/6+6*1/6 =3.5(円)
です。
(理解の仕方)期待値が 3.5円であるからといって、1度振って 3.5円貰え るわけではありません。多数回振ることを想定し、各回に貰う額を平均する と 3.5円になる、と理解します。
--------------------------------- 理論
変数 X の取りうる値が Xi 、そうなる確率をそれぞれ Pi    とするとき、Xi と Pi の全体からなる一式
X1, X2,...., XK P1, P2,...., PK
を X の確率分布といいます。このとき、変数 X の期待値を μと書けば、
μ= (a)
となります。
(注) X の期待値は、E(X)とも表わされます。 ---------------------------------
意味と計算手順のまとめ

意味:集団(確率分布)の基本的代表値。

計算手順:1、確率分布を明示し、ΣP=1 を確認する。
2、データから K, ΣXP を求める。
3、これらを上式 (a)にあてはめる。
練習問題
1998年のサマージャンボ宝くじの賞金額の分布は、次の通りです。 くじを1枚買った時、賞金は幾ら貰えると期待できますか。
   等   賞金額     本数   当たる確率    1等   6000万円 120本 0.0000003 1等の前後賞 4500万円 240本 0.0000006 1等の組違い賞 10 万円 11880本 0.0000297 2等 1000万円 120本 0.0000003 3等 100万円 2000本 0.000005 4等 5万円 80000本 0.0002 5等 1万円 400000本 0.001 6等 3000円 4000000本 0.01 7等 300円 40000000本 0.1 ラッキーレジャー賞 50万円 4000本 0.00001 等外 0円 355501640本 0.8887541 ------------------------------------------------------- 計 - 400000000本 1.0000000 (4億本)
(注:くじ1枚は 300円) [答140.97円]

(理解の仕方) 宝くじは、はずれればお金は貰えません。期待値が 140.97円というのは、多数回買 った場合を想定し、貰える金額(0も含む)の総平均をとると 140.97円になる、 という意味です。この場合、買える最高回数は4億回。次のように理解することも できます。
くじ全部(4億本)を1人で買い占めると、全賞金を独り占め出来ます。 その場合、くじの単価は300円、総額は1200億円、賞金総額 563億8800万円と     なり、その比は 0.4699、これに単価 300円を掛けると 140.97円となります。

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