平均

(10)度数分布の調和平均(加重調和平均)Weighted harmonic mean(average)
  調和平均は、データの逆数の平均の逆数です。すなわち   データの逆数をとり、その加重算術平均を求め、その加重算術平均の逆数をとって    求めます。   データは、ここでは全て正の値とします。   調和平均は、同じデータの算術平均より小さく、更に幾何平均よりも小さくなります。   調和平均は、データのばらつきが小さいほど、同じデータの幾何平均や算術平均に近 くなります。
   計算例 次表は、ある果樹園から1季節に出荷された桃の     重さ(g)の分布です。(階級は、以上−未満)
       階級  代表値  個数      160g-170g 165g   93 170 -180 175 165 180 -190 185 252 190 -200 195 318 200 -210 205 355 210 -220 215 293 220 -230 225 176 230 -240 235 132 240 -250 245 84 ------------------------------ 計 - 1868
     桃1個の重さの加重調和平均は 1/{(93/165+165/175+252/185+318/195+355/205+ 293/215+176/225+132/235+84/245)/1868} =201.2778=201(g)
参考:算術平均 203(g)、 幾何平均 202(g)
-----------    理論
K個のデータと各度数が
X1,X2,....XK
       f1,f2,....fK
のとき、X の調和平均を Hで表わすと
       H=1/{(f1/X1+f2/X2+,....,+fK/XK)/F}=F/Σ(fi/Xi) (a) F は各 fiの合計。 Σは iについて 1から Nまでの合計。
となります。
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意味と計算手順のまとめ

意味:集団の代表値の一種

計算手順:1、データから F, Σ(f/X) を求める。
2、これらを上式 (a)にあてはめる。
注意:データ(Xi)の中にゼロや負数が含まれてい るときは、調和平均は計算しない。
練習問題
9軒の米屋の、同じ銘柄の米 10kgの価格は次の通りでした。     3000円当たりの米の量は平均何 kgでしょうか。
価格(円) 重さ 店の数        2900円 10kg 1 2910 10 1 2990 10 2 3010 10 2 3050 10 2 3090 10 1
ヒント:3000円当たりの米の重さを店ごとに出してみると     2900円→10*3000/2900=10.3448(kg) 1店 2910円→10*3000/2910=10.3093(kg) 1店 2990円→10*3000/2990=10.0334(kg) 2店 3010円→10*3000/3010= 9.9668(kg) 2店 3050円→10*3000/3050= 9.8361(kg) 2店 3090円→10*3000/3090= 9.7087(kg) 1店
となります。[答 3000円当たり 10.0039(kg)]     (注)米 10kg当たりの価格の算術平均は 3000円です。

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