平均

(9)個別データの調和平均  Simple harmonic mean(average)
  調和平均は、データの逆数の平均の逆数です。すなわち    データの逆数をとり、その算術平均を求め、その算術平均の逆数をとって    求めます。   データは、ここでは全て正の値とします。   調和平均は、同じデータの算術平均より小さく、更に幾何平均よりも小さく なります。   調和平均は、データのばらつきが小さいほど、同じデータの幾何平均や算術 平均に近くなります。 調和平均の実感ある例としては、速度の平均や単位価格に対する商品量の平 均等があります。
   計算例 次の8個のデータ
      28,7,11,22,9,16,15,19
の調和平均は
     1/{(1/28+1/7+1/11+1/22+1/9+1/16+1/15+1/19)/8}=13.1613
です。(参考:算術平均 15.875、 幾何平均 14.4930
-----------    理論
N個のデータ
X1,X2,....XN
の調和平均を Hで表わすと
       H=1/{(1/X1+1/X2+,....,+1/XN)/N}=N/Σ(1/Xi) (a) (Σは iについて 1から Nまでの合計を意味します。)
となります。
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意味と計算手順のまとめ

意味:集団の代表値の一種

計算手順:1、データから N, Σ(1/X) を求める。
2、これらを上式 (a)にあてはめる。
注意:データの中にゼロや負数が含まれていると ときは、調和平均は計算しない。
練習問題
自動車で、初めの 12kmを時速 40kmで走り、次の 50kmを時速 100kmで、次の 5kmを時速 30kmで走りました。全距離の平均時速を求めなさい。
ヒント:速度は(走った距離)/(要した時間)で測ります。     走った距離は 12+50+5、要した時間は 12/40+50/100+5/30。[答 69.31km/h]

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