質問2 (2乗平均の意味)統計計算では、時々「2乗平均」に遭遇しますが、2乗平均とはどういう意味ですか。

答
1、データの平均が0のとき、その2乗平均を「分散」といいます。その平方根がそのデータの標準偏差です。
   ですから、2乗平均は、ばらつきの尺度の一つです。
  例:データが -4、-1、1、2、2のとき、平均は0ですから、この2乗平均は
  {(-4)*(-4)+(-1)*(-1)+1*1+2*2+2*2}/5=5.2
  で、5.2はこのデータの分散、 √(5.2)=2.28 は標準偏差です。

2、データの平均が0でないとき、そのデータのばらつきを測るには、先ずそのデータの2乗平均を作ります。
    次に平均が0でない分を調整するために、2乗平均から平均の2乗を引くと、そのデータの分散が得られます。
    この場合も2乗平均はデータのばらつきを測るための素材に用いられます。分散の平方根が標準偏差です。
  例:データが 1、3、4、4、7 のとき、平均は3.8、 2乗平均は
  (1*1+3*3+4*4+4*4+7*7)/5=18.2
  で、18.2-3.8*3.8=3.76 はこのデータの分散、 √(3.76)=1.939はこのデータの標準偏差となります。
    (分散や標準偏差の計算方法はこれに限りません。)

3、2乗平均は、そのデータからなる集団の特性を表わす基本統計量の一つで、2次の積率(原点中心)ともいい
    ます。分散や標準偏差と深い関係にあります。同様に3次、4次等の積率があり、これらを集めると元の集団
    の個々の値を復元することができます。

(明星大学教授 船津好明)