富士山はなぜ世界一か

 2月23日は、川勝知事お肝いりの「富士山の日」である。これを前にして、ようやくにわが町も動き始めた。有志の発案が町を動かし、「世界でいちばん富士山がきれいに見える町」宣言が、雲見「想い出岬で行われる。▲ところで、ここへきて「なぜ世界一」かが、問題になる。せめて「日本一」どまりにすれば、との意見が多い。 ▲私は、ようやくに動き出した町民によるパフォーマンスが嬉しい。そして「世界一」に大賛同である。私たちが立ち上げた「ここしか」でも、名勝・伊豆西南海岸からの富士山は、どこにも負けないと信じている。 ▲それに川勝知事のいう、駿河湾と富士山の取り合わせである。「静岡に来て、富士山のような高みを目指して駿河湾のように深い思いを抱き、太平洋のように大きな夢を描きましょう”と。 ▲ちなみに駿河湾(するがわん)は、伊豆半島先端にある石廊崎と御前崎を結ぶ線より北側の海域をいい、最深部は水深2500mで、世界で最も深い湾である。 ▲また、岡崎大五氏著「笑える!世界の七癖エピソード集」(PHP新書)にある一文を紹介しよう。 「世界のどこの人たちも、世界有数の先進国で工業国の日本が、これほど自然に恵まれた島国だったとは想像できないでいるのだ。また、日本を旅する多くの外国人旅行者たちが、日本の自然の美しさを賞賛している。もっと彼らの発言に耳を傾けるべきである」 そして次のように続く。「ここで日本が誇る、とっておきの美観を紹介する。これは美しい癖に入れてもらいたい。それが駿河湾などの海から見える富士山である。この広い世界のなかで、3000メートル級の雪をかぶった高い山が、海から見えるのは富士山くらいなものである。(中略)日本人は、まだまだ自分の意外な奇癖に気づいていないものである」と。 ▲わが町民が気づいていない奇癖を世界に向けて発信することこそ、嬉しいことである。  24.2.17 松本晴雄