バスで富士山撮影

 私は、「富士山ビュー」http://www.pref.shizuoka.jp/~live/を見てから、富士山の撮影に出かけることにしている。 さっそく「ビュー」を開くと、雲がかかっている。これではダメかと、がっかりする。午後近く、名物の西風が吹き出す。 「よし、これなら大丈夫」と確信する。私のような男は、別の用事でもなければ出掛けられない。 買い物を兼ねての出発である。
◎自転車を「伊豆の長八美術館前」に置く。13:13、そこより観光客気取りで乗り込む。 客は他に一人の男性だけである。途中の車窓には、気がかりな富士山がきれいな姿を見せてくれている。胸がわくわく、 雲見浜で下車する。
◎奇岩を配しての富士山、白波をたてる駿河湾、もう心が浮き立つ。この絶景を独り占めする幸せを 味わう。帽子を飛ばされそうになりながら岬まで、感動のシャッターを押しながら進む。 写真  
◎この強風にかかわらず、 ダイビングの船が出ていく。この荒波に潜る人があるかと疑う。ちょうど出会った人に聞く。「この波でも潜れるのですか?」 「いや、大丈夫です。波は表面だけで海中は静かです」と。やがて船が着岸すると若いカップル1組であった。
◎本当は石部まで歩いて富士山を撮したかった。でも強風と、夕飯の支度がある。次のバスの時間を測って、 赤井浜から乗車することにする。この赤井浜からの富士山も素晴らしい。赤い肌の岩、白い肌の岩の連なる岬に富士山、 これは驚嘆に値する。 写真 
◎ちょうど45分ほどの雲見滞在である。カメラのメディアには感動溢れるほどいっぱいである。 14:10、バスに乗り込む。これも途中から一人乗り込んだが、バスジャックしたに等しい。運転手は顔見知りである。
◎本当は運転手に話しかけるのはいけないのだが、私一人のワンマンカー、気軽に話しかける。「ただ停留所だけに停ま るのでなく、『富士山撮影バス』(ビューを見たのち)と名札をつけ、カメラマンには随時、駐車可能な場所に降ろしたら どうか。町が赤字を補填しているのだから、町民に半額券でも出して利用を呼びかけたらどうか」と、また、余計なお節介 を考える。「うるさい爺」と思われたに違いない。 バス代往復900円弱、1時間弱の至福の時であった。
◎お出かけに は時間を確かめてからにしてください。1時間1本、2時間1本の場合があります。デジカメ一つで、これほど楽しめるものは 見当たらないであろう。(2010.12.19記 松本晴雄)