問題1、多数の農家の中から、幾つかの農家を無作為に選び、1農家当たりの
    年間総所得を、標準誤差10万円で推定したい。抽出すべき農家数は
    幾つか。なお、近年の資料では、母集団の農家の年間総所得の農家
    間の標準偏差は250万円と見積もられている。

答 抽出すべき農家数をnとする。抽出した農家の1農家当たりの年間総所得
    をとすれば、標準誤差はの標準偏差に等しい。標準誤差の2乗は
         の分散であり、一般にV()であらわされる。さらに、母集団の農
         家の年間総所得の農家間の標準偏差をσで表わせば、これらの関係は、

    V()=σ 2/n              (1)

         となる。そこで題意に従い、V()=102=100,  σ=250 とおけば、
    
    100=2502/n,  n=62500/100=625 となる。

注意  標準誤差と標準偏差は違う。標準誤差は標本から得た推定量の標準
         偏差をいう。σは母集団の標準偏差である。
    このように、「標準偏差」というときは、どの変数に対するものかを
         正しく認識する必要がある。

         なお、 (1)式は、2項分布の場合は、母集団の当該事項の割合をpと
    すれば
 
    V()=p(1-p)/n              (2)

    となる。