問1、図書館Aの数週間の利用者数(人)を曜日別にみると、次の通りである。
   曜日ごとに差があるといえるか。有意水準5%で検定せよ。

   日   月   火  水   木    金   土
   174  120  108  96  122  129  151

答 検定仮説として、
  H0:曜日ごとに差はない。
     とおく。
  その場合の曜日ごとの理論値は、利用者数の合計900人を7で割り、
  1曜日当たり均等に900/7人となる。これによりχ2は、
  χ2=(174-900/7)2/(900/7)+(120-900/7)2/(900/7)
       +(108-900/7)2/(900/7)+(96-900/7)2/(900/7)
       +(122-900/7)2/(900/7)+(129-900/7)2/(900/7)
     +(151-900/7)2/(900/7)=32.4156
     一方、自由度6(7-1)のχ2分布の右方5%点はχ2分布表から
   χ02=12.592であり、これにより
     χ02<χ2
   となる。よって、仮説「H0:曜日ごとに差はない。」は棄却される。

説明 本来、曜日ごとに差がなくても、問題1のデータは出現する可能性があるが、
         その確率は5%と小さい。(有意水準)
    仮説を棄却すると、曜日別の本来の分布はどうなるか。ここでは対立仮説
         を掲げてないが、種々考えられる。


問2、図書館Bの数週間の利用者数(人)を曜日別にみると、次の通りである。
   曜日ごとに差があるといえるか。有意水準5%で検定せよ。

   日   月   火  水   木    金   土
   135  125  126  124  122  129  139

答 検定仮説として、
  H0:曜日ごとに差はない。
     とおく。
  その場合の曜日ごとの理論値は、利用者数の合計900人を7で割り、
  1曜日当たり均等に900/7人となる。これによりχ2は、
  χ2=(135-900/7)2/(900/7)+(125-900/7)2/(900/7)
       +(126-900/7)2/(900/7)+(124-900/7)2/(900/7)
       +(122-900/7)2/(900/7)+(129-900/7)2/(900/7)
     +(139-900/7)2/(900/7)=1.8178
     一方、自由度6(7-1)のχ2分布の右方5%点はχ2分布表から
   χ02=12.592であり、これにより
     χ02>χ2
   となる。よって、仮説「H0:曜日ごとに差はない。」は採択される。

説明 本来、曜日ごとに差があっても、問題2のデータは出現する可能性があるが、
         その確率はどのような差かによる。
    仮説の採択は、断言ではなく、消極的肯定に過ぎない。 

χ2検定法の原理

(船津好明)