昭和六年 満 州 事 変 憂きの世ぞ我同胞を唐人はむごたらしくも苦しめにけり 何事ぞ我国人を苦しめていざひいどむ唐の人ども 十来ごとに銃を枕に満州の荒野を照らす月を見んとは 隣り相ひてへだて心のさかしきは 何時の世からの恨みなるらん 秋深き海山越えて唐土の野に戦ひいどむ大和男の子ら 唐国のいわなきわざをいきどほり皇国の守る益荒男のとも 千万のすてし血しほの勲しをあだになだめせぞおおまへつき たけり猪のあだなすあだをうちはらひ 高くかかぐる日の丸の旗 から国の鉄路のはても今に世に御綾威かがやく日の御旗かな 人の道ふまぬから人こらさんとみさくる空に弓張りの月 満州の権益をぞまもる皇軍の力にただす人の道かな 久方の空はへだてもなきものを心へだつる支那の国人 韃靼の国原あれてわきたつる雲をば拂へ伊勢の神風 定めおきし誓約をやぶる支那人を訓へ正さん砲の響きに 満州の野辺のしこ草はびこりてかりはらはふむ日本丈夫 さしのぼる我日の本の旗風になびきふすらむしこのしこくさ しこくさのかりてもつきぬ満蒙の荒野を開く時ぞ来にける