昭和二年秋 社頭杉 注連張りし千幾の杉のいや高く 神さびにけり伊那のみつがきに 直からで神の御前に立ちがたきしるし見せたるいづの矛杉 霊幸伊那の社の矛杉は来経ゆくごとに色そまさん ふかみどり千代も経にけむ神さびて高くそびゆる伊那の大杉 みどりこき杉のむら立つ千代こめて空にそびゆる伊那の御社 神さびし杉のむら立いやさかへ詣るごとにあらたなりけり 伊那下の杉のむら立幾千代の秋みどりふかめて神さびにけむ 鉾杉の高きを見ても大神の御威尊とくあふがるるかな 年たかくしげりてたてる神杉はとはに栄ゆくしるしならん 神なびの苔の下道風さむく凍れる水にうつる杉村 伊那下の社の森の大杉はむかしをしのぶ神寳かな み社の泉の水かげ見えてかしこく覚ゆ森の鉾杉 千早振神の忌がきの鉾杉は立ちならべてし宮まもらむ すくなるを神の心は大前に神さびたてり瑞の鉾杉