伊那下神社献詠歌まき4

昭和二年秋
        社頭杉

注連張りし千幾の杉のいや高く
神さびにけり伊那のみつがきに
    
直からで神の御前に立ちがたきしるし見せたるいづの矛杉
    
霊幸伊那の社の矛杉は来経ゆくごとに色そまさん

ふかみどり千代も経にけむ神さびて高くそびゆる伊那の大杉

みどりこき杉のむら立つ千代こめて空にそびゆる伊那の御社

神さびし杉のむら立いやさかへ詣るごとにあらたなりけり

伊那下の杉のむら立幾千代の秋みどりふかめて神さびにけむ  
鉾杉の高きを見ても大神の御威尊とくあふがるるかな

年たかくしげりてたてる神杉はとはに栄ゆくしるしならん

神なびの苔の下道風さむく凍れる水にうつる杉村

伊那下の社の森の大杉はむかしをしのぶ神寳かな

み社の泉の水かげ見えてかしこく覚ゆ森の鉾杉

千早振神の忌がきの鉾杉は立ちならべてし宮まもらむ
  
すくなるを神の心は大前に神さびたてり瑞の鉾杉