大正15年 社 頭 水 真清水の清き心は心にて世におごりなくすまむとそ思ふ 手も洗ひ口もそそぎて真清水の清き心に神をいのらむ 真清水に身をも心もきよめつつ汲みてぞ祈る神のみ前に 冬は湯に夏は氷のごとくにてくめどもつきぬ伊那の真清水 みあかしの影をうつして真清水の いよよすみゆく伊那の神がき 伊那下の神のみ前の真清水のきよきを己が心とはせむ 伊那下の神の清水のます鏡 月もやどりて影さやかなり 伊那下の井垣に出る真清水は汲む民人の心清しも 伊那下の恵もふかきみたらしの水さへ清くすみにすみつつ 千幾経し銀杏紅葉の影見えて御洗水きよき伊那の宮 廣前に清き御手洗湧出て有ぬ恵みの伊那のみ社 仰ぎ見る千幾の銀杏紅葉して泉染なす伊那の下宮 真木のたつ伊那の神がき苔むして巌の下に真清水のわく 今日もまた来てむすびけり伊那下の宮の岩根のきよき真清水 湧きいでる伊那の社の真清水をくむ人に心すみけり 誰もみなくめる清水のゆたけさに心もすめる伊那下の宮