伊那下神社献詠歌まき3

 大正15年  社 頭 水

真清水の清き心は心にて世におごりなくすまむとそ思ふ

手も洗ひ口もそそぎて真清水の清き心に神をいのらむ
真清水に身をも心もきよめつつ汲みてぞ祈る神のみ前に

冬は湯に夏は氷のごとくにてくめどもつきぬ伊那の真清水
みあかしの影をうつして真清水の
       いよよすみゆく伊那の神がき

伊那下の神のみ前の真清水のきよきを己が心とはせむ

伊那下の神の清水のます鏡
      月もやどりて影さやかなり 

伊那下の井垣に出る真清水は汲む民人の心清しも
      
伊那下の恵もふかきみたらしの水さへ清くすみにすみつつ

千幾経し銀杏紅葉の影見えて御洗水きよき伊那の宮

廣前に清き御手洗湧出て有ぬ恵みの伊那のみ社

仰ぎ見る千幾の銀杏紅葉して泉染なす伊那の下宮
     
真木のたつ伊那の神がき苔むして巌の下に真清水のわく

今日もまた来てむすびけり伊那下の宮の岩根のきよき真清水

湧きいでる伊那の社の真清水をくむ人に心すみけり

誰もみなくめる清水のゆたけさに心もすめる伊那下の宮