方程式とその軌跡の表示に関する基本原理


1.Y=F(X)あるいは F(X,Y)=0など2元の方程式は、一般に、面上の座標系の中で線を描きます。
    その線を、その方程式の軌跡といいます。
    以下、座標系は直交、等目盛、Xを横座標で右方を正、Yを縦座標で上方を正とします。
2.方程式において、正数 Aを用い、Xを X+Aと置換すると、同じ座標系の中で、軌跡が置換前に比べ、 Aだけ左方に移動します(平行移動)。Aが負のときは移動の方向が右方となります。
3.方程式において、正数 Aを用い、Yを Y+Aと置換すると、同じ座標系の中で、軌跡が置換前に比べ、 Aだけ下方に移動します(平行移動)。Aが負のときは移動の方向が上方となります。
4.方程式において、正数 Aを用い、Xを A*Xと置換すると、同じ座標系の中で、軌跡が置換前に比べ、 縦軸の側に1/Aに縮小(拡大)します。A>1のとき縮小。0<A<1のとき拡大。
5.方程式において、正数 Aを用い、Yを A*Yと置換すると、同じ座標系の中で、軌跡が置換前に比べ、 横軸の側に1/Aに縮小(拡大)します。A>1のとき縮小。0<A<1のとき拡大。
6.方程式において、Xを -Xと置換すると、同じ座標系の中で、軌跡が縦軸に対称の位置に移動しま す(対称移動)。
7.方程式において、Yを -Yと置換すると、同じ座標系の中で、軌跡が横軸に対称の位置に移動しま す(対称移動)。
8.方程式において、Xと Yを交換すると、同じ座標系の中で、軌跡が直線 Y=Xに関して対称の位置に 移動します(対称移動)。
9.方程式において、Xを |X|と置換すると、同じ座標系の中で、置換前の軌跡のうち縦軸の右側の部 分が、縦軸に対称の位置に複写されます(対称複写)。
10.方程式において、Yを |Y|と置換すると、同じ座標系の中で、置換前の軌跡のうち横軸の上側の部 分が、横軸に対称の位置に複写されます(対称複写)。
11.方程式において、Xを X*cos(A)+Y*sin(A)と、Yを -X*sin(A)+Y*cos(A)と、同時一斉に置換すると、 同じ座標系の中で 軌跡が原点を中心に、A角だけ正方向(逆時計)に回転します(回転移動)。
12.方程式において、定数 Aと任意の関数 G(X,Y)を用い、全部または一部のXを X+A*G(X,Y)と置換する と、同じ座標系の中で軌跡が歪みます(軌跡の歪曲)。Aが 0に近いほど歪みは少なくなります。
13.方程式において、定数 Aと任意の関数 G(X,Y)を用い、全部または一部のYを Y+A*G(X,Y)と置換する と、同じ座標系の中で軌跡が歪みます(軌跡の歪曲)。Aが 0に近いほど歪みは少なくなります。
14. 2つの方程式 F(X,Y)=0, G(X,Y)=0があるとき、0≦A≦1である Aにより、 H(X,Y)=(1-A)*F(X,Y)+A*G(X,Y)を作れば、方程式 H(X,Y)=0は Aを 0から 1に動かすにつれ、 F(X,Y)=0の軌跡が G(X,Y)=0の軌跡に連続的に移行する状況を示します(軌跡の移行)。
15. 2つの方程式 F(X,Y)=0, G(X,Y)=0があるとき、0≦A≦1である Aにより、 H(X,Y)=(1-A)*F(X,Y)-A*G(X,Y)を作れば、H(X,Y)=(1-A)*F(X,Y)+A*{-G(X,Y)}により、 方程式 H(X,Y)=0は Aを 0から 1に動かすにつれ、F(X,Y)=0の軌跡が G(X,Y)=0の軌跡に 連続的に移行する状況を示します(軌跡の移行)。
16. 2つの方程式 F(X,Y)=0, G(X,Y)=0があるとき、H(X,Y)=F(X,Y)*G(X,Y)を作れば、 方程式 H(X,Y)=0の軌跡は F(X,Y)=0の軌跡と G(X,Y)=0の軌跡を重ねたものとなります(軌跡の併合)。
17. 2つの方程式 F(X,Y)=0, G(X,Y)=0があるとき、H(X,Y)=F(X,Y)/G(X,Y)を作れば、 方程式 H(X,Y)=0の軌跡は F(X,Y)=0の軌跡と同じです。ただし、その軌跡のうち、 G(X,Y)=0となる点は除かれます。
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