観測結果と若干の仮説に基づく新宇宙論 English
2016.4.14                                     船津好明                            数学者、統計学者、理学博士 要約: 宇宙は無限大、膨張はない。
・観測結果:地球から遠い天体が地球から遠ざかっている。 ・仮説1:宇宙の中の様相は大局的にどこも同じである。 ・仮説2:光の速度は宇宙の中で最高である。 Ⅰ 宇宙の大きさは無限大である 1、現在の主な宇宙論では、我々が住む宇宙は、初めは小さく、これが膨張して現在に至り、膨張は更に続いているという。そこでは 我々の宇宙の大きさは有限とされている。有限の宇宙の外側には空間があり、我々の宇宙を取り囲んでいる。外側の空間は我々の宇  宙の親宇宙ということができる。このことから、我々の宇宙は、外側の宇宙の中の一つの天体に過ぎない。このことは現在の主な宇  宙論から引き出される。   本稿では我々の宇宙の大きさは、外側から見ると有限だが、内側から見ると無限大である、と主張する。我々の宇宙を測るのに2  つの尺度がある。 2、本稿では上の3つの点に基づいて論理を進める。観測の手段が光であることは、とりわけ大きな意味がある。仮説1から、宇宙の  大きさは有限ではありえない。無限でなければならない。その理由は次の通りである。   地球から130億光年先の天体が観測されている。仮説1から、そこから更に130億光年先に天体が観測される筈である。そこは地球  から260億光年先となる。そこから更に130億光年先、すなわち地球から390億光年先にも天体が観測される筈である。これを繰り返  と、地球から無限の彼方に天体が存在することになる。すなわち、我々の宇宙の大きさは無限大となる。これは我々の宇宙を内側か  ら見たものである。我々の宇宙が内側から見て有限ならば、仮説1は破棄される。 3、宇宙には最果てがある。仮説2を用いれば、宇宙の中の2か所の距離は、その間を光が移動する時間によって測ることができる。  2節から、宇宙の中から発した光は、宇宙の最果てに届くまでに、無限に長い時間がかかる。よって、宇宙の最果ては無限に遠い  所にある。よって我々の宇宙は無限大である。しかし、親宇宙から見れば、我々の宇宙は一つの天体に過ぎないから、大きさは有限  である。 4、宇宙を測るのに尺度が二つある。一つは内側で測る尺度、もう一つは外の宇宙(親宇宙)から測る尺度である。 左の図は宇宙の内部の構造図で、Oは宇宙の中のある場所、∞は宇宙の最果てを示す。A、B、C、  D、E、.....は光の通過点である。Oから出た光はA→B→C→D→Eを経て∞に向かう。光が  O-A、A-B、B-C、C-D、D-E.....を通る時間は同じだが、図の都合で右方へ行くほど幅を  狭くしてある。∞の近くはさらに無限に細かく刻まれている。D-∞を拡大したのがD、E、F、  .....で、光はO、A、B、C、D、E、F、G、H、I、.....の間を同じ時間をかけて進むから、 ∞に到達するまでには無限の時間がかかる。よって宇宙の大きさは無限大となる。 Ⅱ 宇宙は大きくも小さくもならない。宇宙の膨張はない。 5、観測結果が宇宙の膨張を意味するのは、宇宙の大きさが有限であるという前提に立つ。ところが宇 宙は無限大であるから、観測結果が正しくても宇宙の大きさは変わらない。 6、もし、宇宙が有限だとすれば、宇宙は膨張しており、過去には小さかったことになる。しかし、宇 宙は無限大であるから、時間を遡っても小さくならない。観測結果は宇宙の膨張には結びつかない。 Ⅲ 宇宙は光を閉じ込めている 7、宇宙の中から発した光は宇宙の外には出られない。宇宙は光を閉じ込めている。光を閉じ込めているのは、内側に向かう強い重力 による。物質には、外に拡散しようとする力と、内側に縮もうとする力がある。観測結果は重力に対抗し、宇宙の均衡を保っている。 Ⅳ 宇宙内の有限の一部は、全部に比べて無限に小さい 8、宇宙は無限大(∞)であることから、宇宙の中のいかに大きな有限の区画も宇宙全体に比べると無限小(1/∞)となる。 Ⅴ 宇宙の中で起きる現象は確率事象である 9、宇宙の中の現象は確率的に起きる。仮説1から、起きる確率はどこも等しくなければならない。 等確率で起きる現象は分散を生む。   例を示す。雨の中に碁盤を短時間さらす。桝目に落ちた雨粒を数えると、1つのところ、2つのと  ころ、4つのところ、何もないところなど、雨粒は均等ではない。雨粒の数は分散をなしている。   左の図は、等確率で生じた乱数を平面座標に点描したものである。点の集散、濃淡が現れている。   局所的に見ると、物質やエネルギーは宇宙空間に均一ではなく、集散、濃淡に分布する。この変化  は階層構造をなす。宇宙空間の物質やエネルギーは、空間内を浮遊している。各種の観測結果に見  られる濃淡模様は、ある時点の様相であり、時間と共に変化する。その意味で宇宙の中の様相は、  大局的にどこも同じである。 Ⅵ その他の事項(省略) 宇宙の誕生と死。大爆発。宇宙の天動説と地動説。天体の数の数え方。数学における無限大の性質、等。  ---------------------------------------------------------- 連絡先:〒187-0002 東京都小平市花小金井2-6-1  船津好明     Email funatsu@mvf.biglobe.ne.jp